大企業にこそ必要な勤怠管理システムの選定で留意すべきポイントを解説！

大企業における勤怠管理の特徴とは？中小企業との違いについて

働き方改革が社会に定着していくなか、自社に所属する従業員の就業状況を適切に把握し管理を行う「勤怠管理」の重要性が増しています。特に大企業においては、さまざまな雇用形態や勤務形態で働いている従業員が多いため、勤怠管理が複雑になりがちです。従業員が多ければ多いほど、時間外労働や有給取得状況など管理する範囲は多岐にわたり、その管理が膨大になる点は、中小企業との大きな違いといえます。

こうした業務を手作業で行うことは、担当者に過度な負担を強いるだけでなく、本来行うべき業務にも支障をきたしかねません。そのため、従業員の出退勤状況をはじめとする勤怠管理を自動化・効率化が重要なテーマとなります。

大企業における勤怠管理の課題

企業の規模にかかわらず、勤怠管理に関する課題は付き物です。しかしながら、大企業ならではの特徴というものがあります。ここでは大企業における勤怠管理の課題について分類整理し、解説していきます。

イレギュラー対応が積み重なりやすい

大企業の場合、雇用形態や勤務形態だけでなく、従業員が所属する部署も幅広いのが通常です。そのため、すべての従業員が毎日必ず同じ時間に出退勤するわけではありません。また、電車の遅れなどによる遅刻や、本人だけでなく家庭の事情による早退など、想定外の出来事も従業員の数が多い大企業では日常茶飯事です。

労務リスクを抱えやすい

社会的に働き方が多様化している昨今、勤怠管理に関する業務も煩雑化しています。特に多くの従業員が働く大企業においては、不正確な勤怠管理が原因の残業代未払いや長時間労働による過労死など、さまざまなトラブルを引き起こすリスクを抱えやすい状態となっています。

もし、リアルタイムに社内全体の勤怠状況を把握することができていなければ、万が一トラブルが起きたときに迅速な対応ができません。また、対応の遅れは、世間から注目されやすい大企業にとって、訴訟や風評被害につながるなど、損失があらゆるところに波及する可能性も出てきます。

人事に業務負荷がかかりやすい

従業員数が多いほど、出退勤の打刻漏れ、集計ミス、労働基準法違反が疑われる長時間残業など、勤怠管理のリスクが高まりやすいため、労務トラブルやコンプライアンス違反に対する人事・労務部のプレッシャーは非常に大きくなります。また、それらの確認や修正を行う手間も膨大なものとなり、心身ともにさらなる負担が担当者にのしかかることになります。

多様な雇用形態や勤務形態への対応

変形労働時間制やフレックスタイム制、在宅ワークや在宅勤務など労働者の働き方は時代とともに大きく変化しています。企業でも、人材確保と業務効率化の観点から、さまざまな雇用形態や勤務形態を導入するケースが増加しています。

その一方で、勤怠管理に関してはタイムカード打刻・集計など、これまで同様に手作業に頼っている企業も珍しくありません。特に、コロナ禍以降に増加している在宅ワークの勤怠管理は、旧態依然としたアナログな管理方法だと正確に把握することが困難であり、多様な従業員にあわせた勤怠管理の体制を構築することが求められています。

複雑な承認フローが存在する

大企業において残業や有給休暇などの申請は、部署や役職の多さから申請者から決裁者に至るまでの承認フローが複雑になりがちです。従業員だけでなく管理者にとっても負担は大きいものとなります。

多言語への対応

大企業において、グローバルな事業展開はよくあることです。その際、外国人の従業員の登用などが必要になった際に、英語をはじめその国の言語でやり取りする必要があります。その際に、社内の申請フローを翻訳したり外国人の従業員に分かりやすく説明する必要があるなど手間が発生します。

グループ会社で横断的にシステムを使用したい

大企業の場合、支店・支社だけでなく、複数のグループ会社があるのも珍しくありません。グループ会社ごとに就業規則が異なっている場合や、業種によって労働時間が異なる場合など、対応はますます複雑化します。特に海外にも支店・支社、グループ会社がある場合はなおさらです。

大企業に勤怠管理システムが必要な理由

大企業の場合、勤怠管理システムを導入することで、より大きなメリットを享受することができるでしょう。その理由について、詳しく解説します。

人事部門の業務効率化

勤怠管理システムには多くの機能が備わっていますが、時間外労働や有給取得などあらゆる申請がオンラインで完結できることは大きな特徴のひとつです。チェックや修正作業が容易なだけでなく、場所を問わず申請や承認が可能なため、従業員だけでなく管理者も負担を軽減することができます。

また、紙の書類でやり取りする手間が省け、ペーパーレスにつながることも利点です。

法改正へのスムーズな対応でコンプライアンスを徹底できる

働き方改革が進むなか、多くの企業がライフワークバランスを重視した多様な働き方を推奨し、従業員の能力を引き出すことで業務拡大と事業の成長につなげているのが特徴です。

このような流れをさらに進めていくためには、法改正へのスムーズな対応とコンプライアンス遵守が欠かせません。法改正に合わせたアップデートを自動で行う勤怠管理システムを導入すれば、法令違反を犯すリスクを予防するだけでなく、社内外の信用を守ることにもつながります。

多様な働き方に対応できる

勤怠管理システムを導入すれば、社外からでもパソコンやスマートフォンを用いて出退勤打刻が可能なため、在宅ワーク対応が容易になります。また、異なる雇用形態や勤務形態で働く従業員一人ひとりの勤怠状況をリアルタイムに把握することで、シフト管理に関する負担も軽減されることでしょう。

勤怠データを人事戦略に活用して、労務リスクを低減できる

人事戦略は大企業の発展・成長のために欠かせないポイントのひとつですが、従業員の勤怠データの一元管理や分析は手作業では難しいものがあります。膨大な従業員の勤怠データを人事戦略に活用していくには、データ集計機能に優れた勤怠管理システムの導入がおすすめです。個人だけでなくグループ単位で勤怠データを可視化することで、残業が多い部署の特定や人材配置の見直し、効果的な採用戦略に役立ちます。

大企業向け勤怠管理システムの選定ポイント

大企業向けの勤怠管理システムの選定にあたって、いくつか考慮すべき注意点があります。適切なシステム選びに必要なポイントを解説します。

自社の導入目的に適しているか

勤怠管理システム導入の目的は企業によって異なりますが、特に大企業の場合、解決したい課題や承認フローが多岐にわたるため、システム選定の前に導入目的を具体的かつ明確にしておくことが大切です。現在の自社に即したシステム選びを行うことで、さまざまな課題に対応することができます。

システムの種類について

勤怠管理システムには、大きく分けてオンプレミス型とクラウド型の2種類があります。

オンプレミス型の特徴はインフラ環境を自社で用意して運用を行えるということにあります。従業員が多い大企業の場合、多様な雇用形態や勤務形態に対応するため、カスタマイズ性が高く、汎用性に長けているオンプレミス型はおすすめです。ただし導入コストやメンテナンスの負担は大きいため、導入時は十分に考慮する必要があります。

一方のクラウド型の特徴ですが、自社でサーバーなどのインフラ環境を準備する必要がなく、インターネット上のサービスを利用できるという点にあります。コストも安く、導入もスピーディに行えるところがメリットですが、既存のシステムを用いた運用となるため、カスタマイズには制限があります。ただし、システム会社によってはオプションとしてカスタマイズの対応をしているところもあるため、システム運用の相談時に確認してみることをおすすめします。

サポート体制はしっかり整っているか

通常、勤怠管理システムは毎日使用するものです。そのため、何かトラブルが起きて対応が遅れた場合、従業員や支社などの数が多い大企業であればあるほど、混乱が大きくなってしまいます。したがって、勤怠管理システムの選定にあたっては、時間外はもちろん休日対応が可能かどうか、システム提供会社のサービス内容を事前に細かく確認しておきましょう。

給与計算システムなど、外部システムとの連携が可能か

大企業においては、給与計算システムをはじめとして、多くの外部システムを利用しているケースがよくあります。そのため、勤怠管理システムの選定に際し、既存の運用システムと連携可能かどうかをチェックしておくことは必須です。

法律に対応、法改正に対応しているか

法対応が可能な勤怠管理システムであっても、働き方改革関連法適用の開始時期が大企業と中小企業で異なるケースがあるように、どこまで法改正のアップデート機能が備わっているか、自社に適した機能を搭載しているシステムなのかをきちんと見定める必要があります。

クラウド型勤怠管理システム「楽楽勤怠」

ここまで大企業における勤怠管理の課題、大企業向け勤怠管理システムの必要性、選定ポイントなどについて解説しました。勤怠管理が複雑化しやすい大企業ならではの課題は多岐にわたりますが、最適なシステムを導入することで多くのメリットを享受することが可能です。

株式会社ラクスが展開するクラウド型勤怠管理システム「楽楽勤怠」は、あらゆる企業の勤怠管理をサポートしています。システム導入時には徹底したサポート体制を敷いており、専任サポートが初期設定の説明や具体的な運用方法のご提案をいたします。ご検討の際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。