勤怠管理を効率化する方法とシステム化のメリット・効果をわかりやすく解説

テレワークや在宅勤務など労働者の働き方が多様化する中、法令に基づく労働環境の整備や人材確保のため、自社の勤怠管理の見直しを進める企業は多いでしょう。
しかし、ひと口に勤怠管理の効率化といっても、何から始めたらいいかわからないとお悩みの人事労務担当者は多いのではないでしょうか。
勤怠管理を効率化する方法はいくつかありますが、もっともおすすめなのは勤怠管理システムの導入です。
特にこれまでタイムカードやExcelを用いた勤怠管理を行ってきた企業にとって、勤怠管理をシステム化することはさまざまなメリットがあります。
本記事では、なぜ勤怠管理をシステム化することが自社の課題解決および発展にとって大切なのか、そのメリットと効果について詳しく解説していきます。
この記事の目次
そもそも勤怠管理とは?
勤怠管理とは、従業員の出退勤や休憩時間、休暇などの就業状況を適切に記録し、管理することです。
給与計算の適正化や法令遵守、労務リスクの回避を目的として行われます。
勤怠管理の主な管理項目は、以下のとおりです。
- 出退勤管理:出勤時間・退勤時間・休憩時間
- 労働時間管理:実働時間・残業時間
- 休暇・休業管理:年次有給休暇・特別休暇
近年では、2019年から順次施行されている「働き方改革関連法」により、時間外労働の上限規制、年次有給休暇の時季指定など新たな取り組みも導入され、勤怠管理の重要性が一層高まっています。(※)
- 時間外労働の上限規制:月45時間、年360時間を原則都市、特別な事情がある場合にも上限を設定
- 年次有給休暇の時季指定:使用者は10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、年5日について確実に取得させる必要がある
法令を遵守した適切な勤怠管理を行うことで、従業員の働きやすい環境を整え、企業の持続的な成長につなげることができるでしょう。
※(参照)厚生労働省「働き方改革関連法に関するハンドブック」
勤怠管理業務の効率化を阻むよくある課題4選
タイムカードやExcelを用いた勤怠管理は、現在も多くの企業で行われています。
コストがかからないことや比較的イージーに運用できるなどのメリットがある一方、手作業での管理や度重なる法改正への対応に難しさを実感している担当者も多いのではないでしょうか。
ここでは、勤怠管理の効率化を阻むよくある課題について見ていきましょう。
①働き方が多様化している
従業員の働き方が多様化している場合、勤怠管理が複雑化しやすく、対応に難しさを感じる場面も多いでしょう。
働き方の多様化とは、労働者の事情に応じて柔軟な働き方を実現することを意味しますが、特にリモートワークの普及が進む昨今、勤怠管理は従業員個人の裁量にゆだねられる部分が大きいのが実態です。
また、フレックスタイム制を採用している企業の場合、従業員ごとに始業時間・終業時間が異なります。
その他、正社員・契約社員・派遣社員・パート・アルバイトなど雇用形態が複雑化していることも、勤怠管理を難しくしている要因です。
②打刻忘れやミス、不正が発生することがある
タイムカードを用いて労働時間の把握を行っている場合、打刻忘れなどのミスが発生することがあります。
また、自己申告制で時間外労働の管理を行っているケースでは、不正申告がないとは限りません。
その都度チェックや修正作業を手動で行わなければならず、担当者にかかる負担は従業員の数が多ければ多いほど膨大なものになります。
こうした状態を放置していると、正確な労働時間の算出をもとにした賃金の支払いができないだけでなく経営の健全化も阻害され、知らない間に法令違反を犯してしまうかもしれません。
③集計作業に手間と時間がかかる
タイムカードやExcelを用いて勤怠管理を行っている場合、毎月の時間外労働時間や有給取得日数などを手作業で集計する必要があり、手間がかかります。
また、集計業務は月末や月初めに集中することが多く、担当者に過度な負担がかかりがちです。
特にアルバイトやパートなどの雇用形態が多い企業の場合、シフト制による勤務で毎月の労働時間に変動があるばかりか時間給であるため、一人ひとりの集計・チェック作業に時間がかかります。
さらに、労働時間の正確な管理と集計に関してはすべての雇用形態においてミスが発生しやすく、その解決が大きな課題となります。
④締め日にならないと労働時間の把握ができない
タイムカードやExcelを用いた勤怠管理では、リアルタイムに従業員の労働時間を把握できないのが課題のひとつです。
仮に従業員が過重労働の状況になっていたとしても、給与計算を行うために締め日にタイムカードを回収してはじめて気が付くケースも多いでしょう。
また、働き方改革関連法により、使用者は年10日以上の年次有給休暇が付与される従業員に対し、その中の5日分を消化させることが義務付けられていますが、手動による勤怠管理では未達成の従業員の割り出しは難しいといえます。
系統的に対策を練っても、年度末に有給消化が集中するなど、時期によって業務量が偏りがちです。
勤怠管理を効率化する方法3選
医師や運送業などの職種では時間外労働の上限規制が一部特例的(※)となる場合があるものの、法令により、原則的にすべての企業において労働時間の上限が定められています。
法令を遵守した企業運営のためにも、勤怠管理は必要不可欠です。また、勤怠管理を効率的に行うことは、企業の生産性の向上や従業員の健康を守るためにも欠かせません。
ここでは、勤怠管理を効率化する方法について見ていきましょう。
※(参考)医師の働き方改革の制度について
①対応する人員を増やす
勤怠管理を効率化する方法のひとつとして、人員を増やすことで業務の負担を軽減する方法があります。
メリットとしては、それまで行ってきた業務の分担を多人数に振り分けることで、処理スピードの向上やミスの軽減につながることが挙げられます。
また、外部からの問い合わせやクレームへの対応もスピードアップできるでしょう。さらに、経験豊富な人材と新人を組み合わせることで、ノウハウの蓄積および継承が期待できるかもしれません。
どこの部署にどれだけ人員を増やすことが効率化につなげられるか、管理者の腕の見せどころといえるでしょう。
一方、デメリットとしては、人件費の増加が避けられません。
また、人員を増やすことによる業務フローの複雑化、情報共有や連携の手間が増えてしまうことも懸念材料です。
その他、増員した人材の裁量まかせの面も大きく、根本的な効率化につながるかどうかは未知数の部分が大きいといえます。
②集計管理のミスを防ぐルールやフローを設定する
タイムカードの打刻やExcelでの記入方法、有給申請などの各種手続きのルールやフローを明確化し、詳細に設定しておくことでも勤怠管理の効率化が期待できます。
新規採用や人事異動があっても、誰でもわかりやすいルールやフローを設定しておけば、従業員側も管理者側もスムーズに使用することができ、集計管理のミスも大幅に軽減することができるでしょう。
しかし、そうしたルール設定は、策定そのものに時間がかかりがちです。
さらに策定だけでなく、管理者も含めた全従業員に周知徹底しなければならず、その手間は膨大なものになってしまいます。
③勤怠管理をデジタル化する
人員追加やルール・フローの設定と比べておすすめの効率化方法は、タイムカードやExcelを用いたアナログの勤怠管理からデジタルへの移行、すなわち勤怠管理システムを導入することです。
勤怠管理システムを導入すれば、時間や場所を問わずにICカードなどを用いて従業員が出退勤を打刻できるため、集計ミスが大幅に軽減できます。
また、単に記録するだけでなく、蓄積された勤怠データを分析し、各部署への適正な人員配置など自社の経営の発展に役立つ業務効率化につなげることが可能です。
デジタル化という言葉に機械的な管理のイメージが先行し、抵抗感を持つ方がいるかもしれません。
しかし長い目で見れば、従業員にとっても管理者にとっても多くのメリットがあります。その具体的な理由については、次章以降で解説していきます。
勤怠管理の効率化には勤怠管理システムの導入がおすすめ
前項で紹介してきたように勤怠管理を効率化する方法はいくつかありますが、働き方改革が進む現代社会の流れに沿った形で効率化を目指すなら、勤怠管理システムの導入がおすすめです。
対応人員の追加やルール・フローの設定も効果的ではあるものの、対応可能な人員の確保が前提となり、根本的な解決だとは言い切れません。
一方で勤怠管理システムでは初期設定が必要なものの、自社の勤怠ルールに沿って従業員の就業状況を自動的に集計し、適切に管理することが可能です。
勤怠管理システムを導入することで、手作業による管理の負担を減らし、正確かつ効率的に労働時間を記録・管理できるため、業務の生産性向上につながります。
勤怠管理システム導入のメリット6つ
勤怠管理システム導入における業務効率化へのメリットは、以下のように多岐にわたります。
働き方改革とそれに伴う法改正によって、企業が従業員の労働時間を客観的に記録し適正に把握することは企業の責務となり、「勤怠管理システム」の需要は高まる一方です。(※)
勤怠管理システムを導入することで、企業が得られるメリットについて詳しく見ていきましょう。
※(参照)厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」
<メリット①>打刻のバリエーションが豊富
勤怠管理システムを導入すると、従業員の出退勤打刻はICカードや社用スマートフォン、あるいはパソコンやタブレットを用いて行うなど、幅広い打刻方法が可能になります。
そのため、テレワークや在宅勤務などの就業形態、正社員・アルバイト・パートなどの雇用形態に関係なく、出退勤時間を正確に記録できることが特徴です。
また、個別設定を行えば、それぞれの従業員の時間外労働の状況もリアルタイムに把握することができます。
タイムカードやExcelを用いた勤怠管理では、出社して勤務している以外の従業員の勤怠データを正確に集計することは困難といわざるを得ません。
多様な働き方に対応できる勤怠管理システム導入は、勤怠管理の効率化を図る上で大きなメリットがあります。
<メリット②>打刻ミスや不正が防止できる
勤怠管理システムは、打刻ミスや代理打刻などの不正防止が可能です。
タイムカードやExcelを用いる手動の管理方法では、打刻漏れや不正打刻などを完全に防ぐことは極めて難しい状況でした。
しかし勤怠管理システムであれば、従業員本人が直接打刻する仕組みの上、リアルタイムで打刻情報を自動記録・反映可能です。
さらに、打刻ミスや漏れがあればスムーズに修正申請できるフローが整っているほか、アラートやリマインド機能で不正打刻も含めた打刻エラーを従業員と管理者双方が確認できます。
また、管理者は正確性の高い打刻データをシステム上で簡単に確認できるため、企業の責務として求められる「客観的な記録を基礎とした、労働時間の適切な把握」(※)が実現可能です。
このように、勤怠管理システム導入により打刻ミスや不正を防ぐことで、正確な打刻データの集計だけでなく、法令遵守にも役立ちます。
※(参照)「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」
<メリット③>労働時間がリアルタイムに把握できる
勤怠管理システムは、従業員の勤務時間はもちろん、残業時間を含むトータルの労働時間をリアルタイムで把握することができます。
テレワークやフレックスタイム制などの複雑な就業形態に対しても、個別設定を行えば簡単に労働時間の集計が可能です。
また、超過勤務状況を警告してくれるアラート機能を活用すれば、時間外労働に関する法令違反を未然に防ぐことが出来るでしょう。
このことは、単に法令違反を防ぐのではなく、時間外労働に対する従業員の意識を高める上でも有効です。
このように手作業に比べて大幅な業務効率化を実現し、社内の意識を高めてさまざまなコストカットにつながるのが勤怠管理システム導入のメリットです。
<メリット④>勤怠データの収集・集計が自動化できる
勤怠管理システムは勤怠管理のデジタル化といわれるように、従業員それぞれの勤怠データの収集・集計が自動化できるのが大きな魅力です。
導入する勤怠管理システムの種類にもよりますが、たとえばCSVという給与計算ソフト用データ出力をそれまで自社で使用していた給与計算システムに流し込むことで、毎月の給与計算業務を大幅に簡略化することができます。
さらに、外部システムのデータとつなぎ合わせる仕組みであるAPI連携できるシステムを導入すれば、より効率化を図ることができ、締め日に業務が集中してしまうことも防げます。
<メリット⑤>法改正への対応が迅速に行える
多くの勤怠管理システムでは、法改正への自動アップデート機能が備えられているため、法改正があったときには素早く対応することが可能です。
これまで企業は、法改正が行われるたびに出退勤管理のルールや方法を調整する必要に迫られ、手作業では間に合わなくなってしまうというのが実情でした。
一方で、働き方改革法の施行により、時間外労働の上限が原則「月45時間、年360時間」と罰則付きで規定されました。
ほかにも年5日の年次有給休暇の取得が義務付けられるなど、企業は従業員の健康を守るために必要な労働環境の整備が求められています。
こうした課題について、勤怠管理システムを導入して個別にアラート機能を設定しておけば、法改正に即したコンプライアンス遵守の徹底が可能です。
<メリット⑥>勤怠データを分析し経営戦略に活用できる
勤怠管理システムは、単に従業員の勤怠データを蓄積するだけでなく、それを分析して経営戦略に活用できるのも魅力です。
業務過多になっている部署や従業員を放置していては、とても労働生産性を上げることはできず、場合によっては人手不足を招き、労働生産性が低下する悪循環になってしまいます。
集積されたデータを分析して従業員の勤務状況を見える化し、部門ごとの人員配置の見直しなど適切な対応を取ることで、社内の活性化および労働生産性を高めることが可能になります。
勤怠管理システム導入のデメリット4つ
勤怠管理システムには多くのメリットがありますが、場合によってはデメリットが発生するケースも否定できません。
予想されるデメリットとその回避方法を解説していきますので、参照して効率的な勤怠管理システムの活用につなげてください。
<デメリット①>導入・運用にはコストがかかる
勤怠管理システムは、搭載されている機能から導入、運用にかかるコストにも注意を払う必要があります。
特に、導入時は初期費用としてまとまったコストが発生することを見落としがちなので、気をつけましょう。
また、導入後・運用には従業員に周知徹底する手間や一定のランニングコストがかかります。
勤怠管理システムの導入でメリットを受けるどころか、コストが必要以上に増えてしまうことにならないよう、日程的にも財政的にも余裕を持った導入スケジュールを組むようにしましょう。
<デメリット②>ITリテラシーが求められる
勤怠管理システムを導入する際、全従業員のITに関する理解度にも配慮することが大切です。
十人十色という言葉があるように、デジタルに関する知識はそれぞれ違います。なかには、アナログからデジタル的な手法への移行に抵抗感を持つ人もいるかもしれません。
導入前はもちろん、導入後も従業員からさまざまな問い合わせが寄せられ、担当者が対応に追われることで仕事量がかえって増加してしまう可能性もあります。
そうした事態を防ぐためには、打刻方法の操作マニュアルをはじめ使用方法のルールを整理し、従業員誰もが使いやすく確認しやすい環境や、問い合わせ窓口を整備しておくことが肝要です。
<デメリット③>就業環境に合わないことがある
勤怠管理システムは、それぞれのサービスによって機能が異なるため、それが必ずしも自社の就業環境に適しているとは限りません。
特に従業員の数が多く、多様な勤務形態・雇用形態を実施している企業の担当者は注意が必要です。
業務効率化のために導入したはずの勤怠管理システムが、デメリットを増やす結果になってしまっては本末転倒です。
検討中の勤怠管理システムが、自社にマッチしている機能を搭載しているかどうか、または導入後にカスタマイズすることができるかなどの事前チェックを行うことで、就業環境とのミスマッチを防ぐことができます。
<デメリット④>収益向上への影響が見えにくい
勤怠管理システムを導入する主な目的は業務効率化であるため、売り上げの向上など直接的な費用対効果を感じにくい面があります。
コスト削減につながるといっても、初期費用や月額利用料、周知徹底を行うための資料代など一定のランニングコストは必要で、その負担だけに目が行きがちです。
担当者は、以下のような勤怠管理システムの導入で得られる中長期的なメリットを説明できるように準備しておきましょう。
- 導入前と導入後に予想される作業時間削減効果
- ミスの軽減や不正の防止効果
- 労働環境の整備による企業イメージの向上
特に本格運用前のトライアル期間中に、目的にかなう効果が期待できるかどうかチェックしておけば、より説得力が増します。
勤怠管理の効率化を実現するシステムの選定ポイント
自社の勤怠管理の効率化を実現するために、勤怠管理システムの選定を行う際、以下のように事前に確認すべきポイントがあります。
これまで検討に割いてきた時間やコストを無駄にしないためにも、ポイントはしっかりチェックしておきましょう。
勤務形態に打刻方法が対応しているか
勤怠管理システムを比較するとき、自社の勤務体系に打刻方法が対応しているかどうかのチェックが大切です。
特にテレワークや在宅勤務、出張が多い企業の場合、社外から日常的に出退勤の打刻を行わなければならないため、操作性はもちろんですが打刻に用いる端末の使いやすさも重要になってきます。
通常、勤怠管理システムは従業員だけでなく管理者も含めたすべての人々が使用するもので、老若男女誰でも操作しやすいシステムを選ぶ必要があります。
表示の見やすさ・わかりやすさも細かくチェックしましょう。
給与計算システムと連携できるか
勤怠管理システムは、給与計算などほかのシステムと連携させることで、よりその効果を発揮できます。
特に、現在自社で導入しているほかのシステムとスムーズに連携できるかどうかは事前に確認しておきましょう。
こうした作業を怠ってしまうと、システム導入後にかえって手間がかかる作業が増えてしまい、業務効率化どころか過重負担になりかねません。
また、追加コストを避けるためにも、現在自社で使用しているサービスをなるべく加工することなく連携可能な勤怠管理システムを選定することがおすすめです。
効率化したい業務に即した機能を搭載しているか
自社の効率化したい業務に即した機能が搭載されているかどうか、その機能を自社の勤怠ルールに沿ってカスタマイズすることができるのかなどを確認しておくことが大切です。というのも、勤怠管理システムに搭載されている機能はシステムによって大きく異なるからです。
特に、複数の支社・支店を有する企業や従業員の多い企業の場合、カスタマイズすることを導入の前提にしているケースが多いため、必要な機能が満たされているかどうかのチェックは欠かせません。
運用コストは見合っているか
各社のサービスを比較する時、初期導入費用から維持費、アップデート費用など、総合的なコストが妥当かどうかの検討も大切です。
たとえば、初期導入費が低価格でもその後の運用コストが高ければ、期待していた費用対効果が得られないケースも考えられるでしょう。
勤怠管理システム導入は、長期的な視野に立って考えるのが基本です。
また、出退勤記録やそれに基づく給与など、勤怠管理システムに蓄積された勤怠データは、従業員の大切な個人情報の記録でもあります。
個人情報の漏洩などが起こらぬよう、データ通信の暗号化などの対策の追加費用の有無も含め、きちんと確認しておきましょう。
導入前後に適切なサポートが受けられるか
導入後や運用時のみでなく、導入前にも自社に合ったシステム活用法の提案など、サポートが受けられるのかも確認したいポイントです。
仮に導入前にサポートがスムーズに受けられなければ、システム導入そのものが暗礁に乗り上げる可能性も否定できません。
また、どんなシステムでも運用を続けていると、故障や不具合など何らかのトラブルは発生します。
平日だけでなく休日も対応可能なサポートが受けられるかどうか、追加コスト発生の有無も含め、トラブル時のサポート体制を事前に確認しておくと、安心して導入できます。
勤怠管理システムを効率的に活用するための導入手順
勤怠管理システムの運用を成功させるには、スムーズな導入が欠かせません。
勤怠管理システムをより効率的に活用するために重要なポイントを、それぞれの手順に即して見ていきましょう。
①導入目的を明確にする
勤怠管理システムを導入する際にまず大切なことは、導入によって自社が達成したい目的を明確にすることです。導入目的を明確にすれば、自然と必要な機能も絞られてきます。たとえば、リモートワークの勤怠管理を効率化したい場合、勤務地を問わず出退勤時刻や労働時間のデータ管理ができる機能が最低限必要です。
担当者だけでなく各部署の管理者および従業員を含めた幅広い事前調査をもとに、必要な機能の洗い出しを行いましょう。
その基礎となるのが、導入目的の明確化です。
②勤怠管理システムの種類を決める
勤怠管理システムは大きく分けてクラウド型とオンプレミス型の2種類があるため、どちらを導入するかの決定が必要です。
クラウド型はインターネット上のサービスに対して利用料を払い運用するタイプで、オンプレミス型は社内に機器を置いて独自にシステム管理を行うタイプです。
それぞれのメリットとしては、クラウド型は自社でシステム管理などを行う必要がないため、初期費用が抑えられます。
一方、オンプレミス型はカスタマイズ性やセキュリティに優れ、長期的な運用に向いているシステムです。
一般的にクラウド型は幅広い規模の企業、オンプレミス型は従業員1,000人以上の企業に向いているシステムと考えられています。
自社の規模や業種、勤務形態や雇用形態を踏まえ、どちらのタイプがより業務効率化につながるのかを見極めるようにしましょう。
③システム提供業者と初期設定をすり合わせる
勤怠管理システムの種類を決定した後は、システム提供業者とのすり合わせが大切です。
企業の就業規則や勤怠ルールは、事業規模や積み上げられてきた歴史に基づき、それぞれ異なります。
すべての企業に完璧に適応する勤怠管理システムは存在しませんので、自社の勤怠ルールに則ったカスタマイズ、中でも初期設定が重要です。
特に従業員の数が多い企業や、多様な勤務形態・雇用形態を導入している企業の場合、個別設定など時間がかかることも予想されます。
初期設定のスムーズなすり合わせは、その後の運用スケジュールにも大きく影響してくるので、慎重に行うようにしましょう。
④従業員に周知し、テスト運用する
システムの初期設定を行った後は、すぐに運用を開始するのではなく、従業員への周知徹底とテスト運用を同時並行していきましょう。
とりわけ打刻方法とそれに用いる機器のチェックは重要です。基本的に、勤怠管理システムごとに対応している打刻デバイスは異なります。
全社員が使用しやすいものかどうか、打刻手順や勤怠データ集計の機能、外部連携機能も含めてテスト運用を行い、問題点の有無を確認していきましょう。
⑤問題点を修正し、必要に応じて就業ルールを変更する
テスト運用で何らかの問題点があった場合、システム提供会社と連携を密にして速やかに解決しましょう。
また、必要に応じて就業ルールを変更する場合があります。たとえば、時間外労働や遅刻・早退などの端数処理単位です。
それまで自社で行っていた処理の単位と、勤怠管理システムの機能の単位が合わなければ、就業ルールの変更がひとつの方法として考えられます。
そのほか、異なるシステムを試してみるのも視野に入れていいかもしれません。
⑥従業員の評価を確認し、問題なければ本格導入する
勤怠管理システムの導入を成功させる上で重要なのは、日常的に勤怠管理システムを使用する従業員の評価です。
管理者だけでなく従業員にも打刻などを実際に行ってもらいましょう。
また、外国人労働者の雇用が多い企業の場合、運用マニュアルの翻訳などのサポートがあるかどうか、提供する会社に確認しておくことが大切です。
⑦運用後の改善と最適化の見直しを継続的に行う
運用後は使用者からの聞き取りなどをもとに、定期的にフィードバックを行うことで、改善と最適化につなげていきます。
大企業なら適切な人材を担当者に配置することも可能ですが、小規模企業だとそれがままならない場合もあるでしょう。
一口にサポート体制といっても、システムを提供する会社によって違います。
勤怠管理システムを効率的に活用するには、導入前・テスト運用中だけでなく、導入後の運用においても改善ポイントの確認はもちろん、最適化の見直しを進めていくことが肝要です。
クラウド型勤怠管理システム「楽楽勤怠」で業務効率化を実現しよう
働き方改革が進む中、多種多様な労働環境を整備することやそれに即した勤怠管理体制の構築は、企業にとって義務であるとともに、自社の成長に欠かすことのできない重要なポイントです。
一方、さまざまな勤怠管理システムが市場に溢れています。その中で、自社に適したシステムを選ぶのは時間がかかりそうと感じている担当者の方もいらっしゃるかもしれません。
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