勤怠管理システムの料金相場とは?費用の内訳やコスパの良い選び方を詳しく解説

働き方改革の流れが社会に浸透する中、かつてないほど雇用形態・勤務形態が多様化しています。
これまでの勤怠管理では対応が難しいケースも増えてきたことから、勤怠管理システムを導入し、人材確保と業務効率化および業績拡大につなげようとする企業が増えつつある状況です。
しかし、費用面をはじめ自社のニーズに合わないシステムを選んでしまうと、かえって費用が逼迫してしまい、業績低下を招いてしまいかねません。
本記事では、勤怠管理システムの導入に必要なコストの詳細と、それを踏まえたシステム選びのポイントを解説していきます。ぜひ、導入を検討する際の参考に役立ててください。
この記事の目次
勤怠管理システムの料金体系と費用相場
勤怠管理システムの料金体系は、主に以下の3点で構成されます。
一方で、それぞれの料金体系において発生する費用の内訳や相場は、勤怠管理システムの「クラウド型」と「オンプレミス型」の2つのタイプによって大きく異なります。
なぜなら、クラウド型とオンプレミス型では主に導入・運用の方式が以下のように異なり、オンプレミス型の方が必要な作業や費用項目が多くなるためです。
- クラウド型:システム提供会社のオンラインサービスを利用する方式
- オンプレミス型:自社専用にシステムを構築・運用する方式
より詳細な違いについて、以下の表で確認していきましょう。
タイプ | クラウド型 | オンプレミス型 |
特徴 | ・インターネットを通じてシステム会社が提供するサービスを利用 | ・サーバーやシステムを自社内に設置して運用 |
初期費用 | クラウドシステム導入費用 |
・サーバーやネットワーク機器の購入費用 ・ソフトウェアライセンス買い切り ・導入、設計、開発、カスタマイズ費用 ・データ移行やテスト導入作業の費用 |
ランニングコスト | システム提供会社へ支払う月額費用 |
・ソフトウェアの保守更新費 ・システム管理者の人件費 ・サーバールームの電気代、空調、物理的管理費用 ・セキュリティ対策費用 ・障害時の復旧、運用監視コスト |
その他の料金 | 機能やサポートを追加する場合の費用 | 導入や運用サポート、コンサルティングを依頼する場合の費用 |
メリット |
・初期費用や運用コストが安い ・専門的なスキルが必要ない ・自動アップデートが可能 |
・自社でセキュリティ保持できる ・優れたカスタマイズ性 |
デメリット |
・インターネット環境が必須 ・高度なセキュリティ・自社独自要件に適応しきれない場合もある |
・初期費用やランニングコストが高い ・導入および運用に時間がかかる |
それぞれにメリット・デメリットがあり、企業の業態や規模、従業員数など、さまざまな要素によって適切なタイプは異なります。
しかし、高度なセキュリティや自社独自の要件を強く求める場合でなければ、コストや運用管理の手軽さの面において、クラウド型の勤怠管理システムがおすすめです。
次に、クラウド型とオンプレミス型の費用相場について見ていきましょう。
初期費用
勤怠管理システムの導入時における初期費用の相場と内訳は、以下の通りです。
タイプ | クラウド型 | オンプレミス型 |
初期費用 | 数万円~数十万程度 | 数十万円~数百万円程度 |
上記の内訳 | クラウドシステム導入費用 |
・サーバーやネットワーク機器の購入費用 ・ソフトウェアライセンス買い切り ・導入、設計、開発、カスタマイズ費用 ・データ移行やテスト導入作業の費用 |
オンプレミス型はクラウド型に比べ、導入時に必要な作業が多いことから、想定される初期費用が比較的高額となります。
その理由は、オンプレミス型は自社に合わせてイチからシステムをつくり上げていくオーダーメイドのタイプだからです。そのため、オンプレミス型の場合は初期設定時に大きな費用がかかるものの、導入段階で必要な作業に十分な時間とコストをかける必要があるといえます。
一方、クラウド型の基本的な初期費用は、提供会社が既に構築しているクラウドシステムを導入する費用のみのため、オンプレミス型に比べ大幅にコストを抑えられます。また本格導入前のお試しプランを提供しているケースもあるので、積極的に利用してみましょう。
ランニングコスト
システムの運用費用である毎月のランニングコストも、クラウド型とオンプレミス型によって大きく異なります。
それぞれの費用相場は選定するシステムやプラン、機能によって異なりますが、基本的な金額を以下の表で確認しておきましょう。
タイプ | クラウド型 | オンプレミス型 |
ランニングコスト | 月額1名あたり200円~500円程度 | ・月額数十万円~数百万円程度 (企業の要件によって異なる) |
上記の内訳 | システム提供会社へ支払う月額費用 |
・ソフトウェアの保守更新費 ・システム管理者の人件費 ・サーバールームの電気代、空調、物理的管理費用 ・セキュリティ対策費用 ・障害時の復旧、運用監視コスト |
クラウド型の基本は、サービスを利用する従業員数に応じて月額料金が発生する従量課金制です。
それに対し、オンプレミス型はサービスを利用する従業員数に関係なく、一定のコストがかかります。
その理由は、自社のニーズに合わせてシステムを構築するだけでなく、自社に機械を置いてシステム運用も行うため、システムの保守などを行う人件費が必要なためです。
その他の料金
オンプレミス型は自社の要件に合わせて初期段階で機能をすべて設計・構築しますが、複雑な作業を要するため、提供会社やコンサルティング会社へサポートを依頼するケースも多く見られます。
まずは、提供会社における主なサポート内容を見てみましょう。
サポート項目 | 詳細 | 料金相場 |
障害対応・トラブルシューティング | 不具合時のリモート調査・修復 | 数万~数十万円(1回) |
バージョンアップ提供 | ・OSやブラウザ更新への対応 ・軽微な機能改善 |
十万~数十万円(年) |
オンサイト対応 | ・訪問サポート ・障害復旧対応 |
数万~十万円(1回) |
追加サポート | 電話やオンラインなどのサポート手段追加 | 数万円(月額) |
さらに、別途コンサルティング会社を利用する場合には、主に以下のサポート料金が発生します。
企業規模 | サポート項目 | 料金相場(総額) |
中小企業(100~300名程度) |
・要件定義・業務整理 ・ベンダー選定、設計支援 ・導入時立会い、テスト支援 |
100万~200万円程度 |
大企業(1,000名以上) |
・全体設計・運用構築支援 ・プロジェクトマネジメント支援 ・複数拠点対応、他システム連携対応 |
300万~500万円以上もあり得る |
一方、クラウド型は基本機能に必要なオプションやサポートを追加して柔軟に運用できます。
クラウド型勤怠管理システムでの主なオプションやサポートの詳細と料金は、以下の通りです。
オプション・サポート | 詳細 | 料金相場 |
機能追加 | シフト作成や工数管理など | 数万円(月額) |
CSV/API連携 | データダウンロードや他システムとの連携機能 | 数万円(月額) |
打刻周辺機器 | ICカード打刻機やレコーダー | 数千~数万円(購入時) |
初期設定代行 | 自社要件に合わせた初期設定の代行 | 数万~数百万(初期設定時) ※従業員規模で変動 |
追加サポート | 電話やオンラインなどのサポート手段追加 | 数万円(月額) |
自社に必要なオプションやサポートの判断が難しい場合は、勤怠管理システムの提供会社への問い合わせ時に相談してみることもおすすめです。
導入費用を抑えるならクラウド型の勤怠管理システムがおすすめ
クラウド型の勤怠管理システムは、導入・運用コストを大幅に抑えられるため、多くの企業にとってコストパフォーマンスに優れているといえます。
オンプレミス型のようにサーバー設置やシステム構築が不要な分、初期費用は数万円〜と安価にスタートでき、月額も従業員数に応じた従量課金制で無駄がありません。
また、勤怠ルールの設定やシステム運用も提供会社(ベンダー)側でサポートされるため、社内リソースを割かずにすぐに運用を開始できます。
ほかにも、法改正やシステムのアップデートも自動で反映されるため、追加開発や保守費用も不要です。
こうしたコストの見通しやすさ・低さは、経営層への稟議にも通しやすく、中小企業やスモールスタートを検討している企業にとっても大きなメリットとなるでしょう。
さらに、クラウド型の勤怠管理システムはインターネット環境さえあればどこからでも利用できるため、テレワークや他拠点勤務など多様な働き方にも対応しやすいという費用面だけでない魅力もあります。
「安い」だけでなくコスパも重視した勤怠管理システム選びのポイント
勤怠管理システムを選ぶにあたり、料金の安さだけでなく、チェックすべきポイントをきちんと確認しておくことが大切です。
費用面だけでシステムを選んでしまうと、コストパフォーマンスの悪さにとどまらず予定外の費用や時間がかかってしまったり、結局違うシステムをもう一度選び直したりすることになりかねません。
自社の勤怠ルールに対応できるか、従業員にとっての使い勝手、セキュリティや導入後のサポート体制など、検討しているシステムが自社の業務効率化やコスト削減にどの程度つながるかを重視するようにしましょう。
<ポイント①>自社の就業ルールに対応するか
まず、勤怠管理システムを選ぶうえで欠かせないポイントとしては、自社の就業ルールに対応できる機能が備わっているかどうかです。
たとえコストが安くても、必要な機能が不足していれば期待した効果を得にくくなりますし、機能が豊富でも自社の運用に合わなければ十分に活用しきれない可能性があります。休憩時間や残業の計算方法、フレックスタイム制や変形時間労働制など自社の勤怠ルールに対応できるシステムを選ぶことで、費用対効果を高めることができるでしょう。
また、システムのカスタマイズ性を確認しておくことも重要です。たとえばフレックスタイム制の場合、「清算期間を3か月以内に設定したいのに、1か月以内しか設定できない」といったケースが考えられます。つまり、フレックスタイム制に対応しているシステムでも、その汎用性はシステム提供会社によってまちまちということです。
どこまで柔軟にシステムをカスタマイズできるのか、事前にきちんと確認しておくことが大切です。
<ポイント②>システムの使い勝手がいいか
コストパフォーマンスを重視した勤怠管理システム選びでは、誰でも迷わず使える「使いやすさ」を重視しましょう。
なぜなら、システムを利用するのは一部の管理者だけでなく、すべての従業員だからです。操作が複雑だと利用が定着せず、業務効率化の効果も薄れてしまいます。
たとえば、スマートフォンやタブレットで直感的に打刻できるインターフェイスや、出張先や在宅勤務中でも使える打刻方法が備わっているかは確認しておきたいポイントです。また、ITに不慣れな従業員にも対応できるよう、導入時には操作説明会やマニュアルの整備も効果的です。
誰にとっても使いやすいシステムを選ぶことが、結果的に現場の混乱を防ぎ、管理者にとってもスムーズな運用につながります。
<ポイント③>サポート体制やセキュリティ機能が充実しているか
導入後のサポート体制の手厚さも、勤怠管理システムを選ぶ際の重要なポイントです。
具体的には、以下のように柔軟なサポート体制が提供されているかどうかを確認しましょう。
- チャットやメールのみでなく電話でも問い合わせできるなど豊富な対応方法がある
- 対応時間が幅広い
- 従業員に周知徹底しやすいマニュアルがある
特に初めて勤怠管理システムを導入する企業の場合、トラブルが起きた際にリアルタイムでサポートしてくれたり、専任担当が付いたりしてくれるシステム会社を選ぶことが、使用時の安心につながります。
また、セキュリティ機能に関しても同様です。自社に適したセキュリティ機能が搭載されているかどうか、オプションで費用が発生するのかどうか、アップデートの迅速さなどきちんと確認しておきましょう。
低価格のシステムは、サポートがメールもしくはチャットのみ、セキュリティ機能も最低限という場合も少なくありません。
トータル的なコストパフォーマンスを考えた場合、トラブルが発生したときの思わぬ出費や、復旧まで予想以上に時間がかかったりする可能性もあるため、費用だけでなくサポート体制やセキュリティ機能の充実度も重視すべきでしょう。
<ポイント④>人事労務やバックオフィス全般のシステム・ツールとの拡張性が良いか
これまで自社で使用してきた給与計算ソフトなど、既存システムとの連携がスムーズに行えるかどうかも、勤怠管理システムを導入するうえで外せないポイントです。
仮に勤怠管理システムの導入で効率的な勤怠管理を行えたとしても、そのデータを活用して給与計算システムや労務管理システムなどバックオフィス周辺のシステムやツールと連動させることができなければ、一部業務のみの効率化に留まってしまいます。
勤怠管理システムと既存システムとのスムーズな連携は、人事労務における幅広い業務の効率化を進める上での肝となる部分です。
勤怠管理システムとバックオフィス周りのシステムとを連携させることで、二重入力や転記作業削減による人件費やミスの削減につながるだけでなく、バックオフィス全体の業務のスピードアップ、対応の質の向上が期待できます。
また、勤怠データの可視化と分析機能を有しているシステムを選べば、経営戦略にも役立てることが可能です。
このように、他システムとの連携を重視することは、人事労務部門だけでなく、経営層にとっても有益といえるでしょう。
従業員数別|勤怠管理システムの導入費用と月額料金をシミュレーション
勤怠管理システムを導入する際に気になるのが、自社の規模でどの程度のコストがかかるのかという点です。
ここでは、従業員数に応じた初期費用と月額料金のシミュレーションを通じて、クラウド型・オンプレミス型それぞれのコスト構造の違いを分かりやすくご紹介します。
導入後の運用イメージをつかみたい方は、ぜひ自社規模に当てはめてご覧ください。
従業員数 | タイプ | 初期費用の目安 | ランニングコストの目安 |
50名 | クラウド型 | 5-15万円~ | 約10,000円~(200円×50名) |
オンプレミス型 | 30万-100万円~ | 月1-3万円~(サーバー管理+人件費) | |
100名 | クラウド型 | 10万-20万円~ | 約20,000円~(200円×100名) |
オンプレミス型 | 50万-150万円~ | 月1-5万円~ | |
300名 | クラウド型 | 10万-25万円~ | 約60,000円~(200円×300名) |
オンプレミス型 | 100万-300万円~ | 月2-8万円~ |
※上記は概算であり、選定するシステムや提供会社、機器などによって異なります
自社の従業員規模や管理体制、将来的な運用負荷なども加味しながら、「導入しやすさ」と「運用のしやすさ」を両立できる選択肢を見極めることが大切です。
費用と要件の両面から勤怠管理システムを選ぼう
勤怠管理システムの導入費用について、ここまでさまざまな角度から検証してきました。クラウド型とオンプレミス型では、費用構造が大きく異なります。自社の課題解決や目標を実現するためには、導入費用や月額料金だけではなく自社が求める要件を満たしているシステムを選定することが大切です。
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