月60時間超の残業は中小企業も50%割増に!対応のポイントと計算方法を解説
2023年4月から、中小企業においても「月60時間を超える残業(※時間外労働)」に対して50%以上の割増賃金を支払うことが義務化されています。
それ以前は、この50%以上の割増賃金の中小企業への適用が猶予されていましたが、働き方改革関連法の整備に伴い、大企業と同じルールが適用されました。
月60時間を超える残業は、従業員にとっては長時間労働による健康リスク、企業にとっては未払いによる法令違反やイメージ低下のリスクがあり、正しい理解と対策が欠かせません。
本記事では、企業が押さえておくべき対応のポイントや、実際の割増賃金の計算方法をわかりやすく解説します。
(※)時間外労働:労働基準法で定められた原則の労働時間(1日8時間・週40時間)を超えて労働すること
この記事の目次
2023年から中小企業も月60時間超え残業の割増賃金率が変更
| 変更内容 | 企業規模 | 適用開始 |
|---|---|---|
| 月60時間を超える残業の割増賃金率が25%以上→50%以上へ | 大企業 | 2010年4月~ |
| 中小企業 | 2023年4月~ |
月60時間を超える残業(時間外労働)に対して50%以上の割増賃金を支払うことは、すでに大企業では2010年4月から義務付けられています。
その後、働き方改革の一環として、2023年4月から中小企業においても同様に、50%以上の割増賃金を支払うことが義務化されています。
具体的な対策を取らず放置していると、法令違反や従業員とのトラブルなどにつながりかねません。
ここでは、割増賃金率の変更内容や対象となる労働者、企業が取るべき対応について詳しく見ていきましょう。
(※)参考:厚生労働省・中小企業庁「月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられます」
月60時間を超えた時間分の割増率は50%以上で計算する
月60時間を超える残業時間は、50%以上の割増率で計算する必要があります。
これは労働基準法第37条に基づくもので、長時間労働による心身の負担を抑え、公平な賃金支払いを確保することを目的としています。
たとえば月70時間の残業を行った場合、最初の60時間は25%以上、残り10時間は50%以上の割増率を適用した割増賃金を支払うことになります。
正しい割増率を適用することは、法令遵守はもちろんのこと、従業員の信頼や安心につながることを忘れてはいけません。
(※)参考:厚生労働省「時間外(法定外休日)労働の割増率」
対象となる企業と労働者とは
冒頭でもお伝えした通り、2023年4月以降、中小企業においても大企業と同様に「月60時間を超える残業に対して50%以上の割増賃金率を適用」することが義務化されました。(※1)
中小企業とは、具体的に以下のように定義されています。
| 業種分類 | 中小企業基本法の定義 |
|---|---|
| 製造業その他 | 資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人 |
| 卸売業 | 資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人 |
| 小売業 | 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人 |
| サービス業 | 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人 |
(※)引用:中小企業庁「中小企業・小規模企業者の定義」
また、対象となるのは労働基準法上の「労働者」であり、正社員はもちろん、契約社員やパートタイマーなど、雇用形態を問わず広く含まれます。(※2)
一方で、経営方針の決定などに関与する「管理監督者」(※3)は、労働基準法上、時間外労働や休日労働に関する規定の適用除外とされており、月60時間超の時間外割増の対象外となるのが原則です(※深夜労働に対する割増賃金は支払いが必要)。(※4)
また、裁量労働制が適用されている場合でも、制度ごとに時間外・深夜・休日労働に対する割増賃金の取扱いが異なるため、就業規則や労使協定の内容を確認することが重要です。
企業には、適正な割増計算を行う責任はもちろん、従業員が安心して働ける環境を提供することが不可欠になっています。
(※1)参考:「月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられます」
(※2)参考:厚生労働省「労働基準法における「労働者」とは」
(※3)管理監督者:労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者
(※4)参考:厚生労働省「時間外(法定外休日)労働の割増率」
【参考】月60時間超えの場合も含めた残業関連の割増率一覧
企業が従業員へ正確に割増賃金を支払うには、割増賃金の種類と割増率をきちんと押さえておく必要があります。
以下の表を参考に、割増賃金に関する理解を深めましょう。
<月60時間超えの場合も含めた残業関連の割増率一覧>
| 労働時間・条件 | 割増率 | 対象者 |
|---|---|---|
| 法定労働時間(1日8時間、1週40時間)を超える残業 | 25%以上 | 管理監督者を除く全従業員 |
| 深夜労働(22時~翌5時) | 25%以上 | 管理監督者を含む全従業員 |
| 休日労働(法定休日) | 35%以上 | 管理監督者を除く全従業員 |
| 月60時間を超える残業 | 50%以上 | 管理監督者を除く全従業員 |
| 深夜労働、かつ月60時間を超える残業 | 75%以上 | 管理監督者を除く全従業員 |
(※)参考:東京労働局「労働基準法 割増賃金編」
月60時間超は多い?放置リスクを解説
ここでは、月60時間を超える残業が抱えるリスクについて解説します。
労働政策研究・研修機構の統計(※1)によれば、2024年度時点で、規模5人以上の企業における1人1か月あたりの所定外労働(※2)の平均は、約10時間とされています。
月60時間を超える残業は、1日換算で約3時間の残業をほぼ毎日続ける計算になり、従業員にとって極めて大きな負担です。
長時間労働を放置すると、企業には法令違反や労災リスク、従業員には心身の不調やモチベーション低下など多くの問題が発生します。
企業と従業員が直面するリスクを整理し、早期に取り組むべき対策について確認しておきましょう。
(※1)参考:労働政策研究・研修機構「所定外労働時間」
(※2)所定外労働:会社が就業規則などで定めた「所定労働時間」を超えて、実際に働いた時間のこと
企業が直面するリスク
企業が長時間残業を放置すると、法的・経営的に大きなリスクを負います。
その理由は、下記のような不利益が生じる可能性があるためです。
- 労働基準法違反による是正勧告や罰則(※1)
- 未払い割増賃金(残業代)の遡及請求(※2)
- 企業名の公表(※3)
特に、割増賃金を適切に支払わなかった場合、法定の時効期間(原則3年分)にさかのぼって未払い分を請求される可能性があります。
また、長時間労働が慢性化すれば従業員の離職率が高まり、人材確保や採用にも悪影響を与えかねません。
つまり、法令違反や経営リスクを回避するには、残業時間を管理し、適正な労務対応を徹底することが不可欠だといえます。
(※1)参考:厚生労働省「長時間労働が疑われる事業場に対する令和6年度の監督指導結果を公表します」
(※2)厚生労働省「未払賃金が請求できる期間などが延長されています」
(※3)参考:厚生労働省「違法な長時間労働や過労死等が複数の事業場で認められた企業の経営トップに対する都道府県労働局長等による指導の実施及び企業名の公表について」
従業員に与える心身への影響
従業員にとって、月60時間を超える残業は、以下の通り心身の両面に深刻な影響を及ぼすリスクがあります。
- 睡眠不足や疲労の蓄積
- うつ病や生活習慣病の増加
- 過労死のリスクが高まる
負担はは身体面だけでなくメンタル面にも及び、影響範囲が幅広いことが特徴です。
特に、毎日深夜まで働く生活が続くと、集中力の低下やミスの増加、さらには通勤中の事故など二次的なリスクも発生します。
また、本人の健康面だけでなく、家事や子育てに要する時間を確保できなくなるなど家庭生活にも悪影響が及び、ワークライフバランスの崩壊につながってしまうリスクもあるため注意が必要です。
従業員の健康を守りながら働きやすい環境を整備することは、企業の責任です。
長時間残業の抑制は、組織の持続的成長にも直結する取り組みだといえます。
(※)参考:厚生労働省「過重労働による健康被害を防ぐために」
残業60時間を超えた場合の企業の対応
月の残業時間が60時間を超えてしまう労働環境に対し、企業はどのように対応すべきでしょうか。
長時間に及ぶ残業は、法的にも健康面でも大きなリスクを伴います。
企業は残業時間に応じた割増賃金を正しく支払い、従業員の心身のケアに配慮することが不可欠です。
さらに、代替休暇制度を活用すれば、従業員に対する金銭面での補填だけでなく、休養の確保も可能になるでしょう。
長時間労働の適切な管理は、法令遵守と従業員の働きやすい職場づくりに直結します。
以下、企業の対応方法について見ていきましょう。
賃金割増率50%以上を支払う
企業は、法定時間外労働が月60時間を超えた部分について、原則として50%以上の割増率で賃金を支払わなければなりません。
残業における基本的な割増率は「25%以上」(※1)ですが、60時間を超える時間外労働については、これより高い割増率を上乗せすることが労働基準法上の義務とされています。(※2)
もしも違反すれば、是正勧告や罰則の対象となるおそれがあります。
たとえば70時間の残業を行った場合、60時間までは25%以上、60時間を超えた10時間分は50%以上の割増率で計算します。
割増賃金を正しく支払うことは、法令遵守はもちろんのこと、従業員の信頼確保や採用にもつながることを意識しましょう。
(※1)参考:東京労働局「労働基準法 割増賃金編」
(※2)参考:月60時間を超える法定時間外労働に対して、使用者は50%以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません
従業員への心身のケアに配慮する
長時間残業を行った従業員には、心身の健康に対するケアが欠かせません。
疲労やストレスが蓄積すると、うつ病や過労死といった深刻な健康障害を招くおそれがあります。
具体的には、産業医面談の実施や定期的な健康相談、休養の促進などが有効な対策となるでしょう。
労務管理と健康配慮を両立させることは、従業員の安心と企業の持続的成長に不可欠です。
代替休暇(有給休暇)を付与する
企業は、法定時間外労働が月60時間を超えた場合、その超過部分に対して追加で必要となる割増賃金(25%分)について、代替休暇として付与することもできます。(※1)
この「代替休暇」は、月60時間を超えて残業した場合に上乗せされる割増賃金率25%(60時間超の場合の50%-基本の25%)分の一部または全部を、年次有給休暇とは別の有給休暇として振り替えることができる制度です。
具体的には、以下の計算式で代替休暇の時間を算出できます。
| (1か月の残業時間 - 60時間) × 基本の25%に上乗せされる割増賃金率 |
|---|
例えば、1か月の時間外労働が100時間で、60時間超の部分について引き上げ分25%をすべて代替休暇に振り替える取り扱いとした場合、以下の通りとなり、10時間分の代替休暇を取得できる計算です。
- (100 - 60) × 0.25 = 10
超過分の割増賃金を休暇に振り替えることで、従業員のリフレッシュにつながるほか、健康リスクの軽減にもつなげられます。
ただし、代替休暇制度の導入には労使協定(※2)の締結が必要であり、実際に代替休暇を取得するかどうかは従業員の意思に委ねられます。
また代替休暇を取得するか、割増賃金を受け取るかは、従業員の選択にゆだねられます。代替休暇を取得するか、割増賃金を受け取るかを従業員が選択できるようにし、金銭面と休養面の両立を図ることが、働きやすい環境づくりのカギといえるでしょう。
(※1)参考:厚生労働省「時間外(法定外休日)労働の割増率」
(※2)労使協定:会社と労働者の代表が労働条件について書面で取り決める協定のこと
月60時間超の残業代の計算方法
ここでは月60時間を超える残業の計算手順をわかりやすく解説していきます。
残業に対する割増賃金の基本的な計算方法は、以下の通りです。
| 1時間あたりの賃金 × 割増賃金率 × 残業時間数 |
|---|
また1時間あたりの賃金は、時給制の場合はその時給、月給制の場合は以下のように算出します。
| 月給 ÷ 1か月の所定労働時間 |
|---|
月60時間を超える部分については、25%ではなく50%以上の割増率を適用する必要があるので注意してください。
正しい計算方法を理解していないと、未払いが発生し、企業の法的リスクや従業員の不満につながるおそれもあります。
以下で、残業が月60時間を超えた場合の割増賃金計算における具体例を見ていきましょう。
月給25万 残業時間70時間の場合
ここでは、月給25万円、残業時間70時間の場合の計算方法を紹介します。
具体的な条件は、以下の通りです。
- 月給:25万
- 残業時間(時間外労働):70時間
- 月の所定労働時間:160時間
- 割増賃金率:60時間まで25%、60時間を超えた分は50%
上記の条件を基本的な計算式にあてはめると、以下のようになります。
- 1時間あたりの賃金 = 25万円 ÷ 160時間 = 1,562.5円
- 60時間までの割増賃金(割増率25%) = 1,562.5円 × 1.25 × 60時間 = 11万7,187.5円
- 60時間を超えた分の割増賃金(割増率50%)= 1,562.5円 × 1.5 × 10時間 = 2万3,437. 5円
- 合計割増賃金(残業代) = 11万7,187.5円 + 2万3,437.5円 = 14万625円
<計算結果>
結果として、月給25万円の従業員が70時間残業した場合の割増賃金は、約14万625円となります。
月給35万 残業時間80時間の場合
次に、月給35万円、残業時間80時間の場合の計算方法を紹介します。
- 月給:35万
- 残業時間(時間外労働):80時間
- 月の所定労働時間:160時間
- 割増賃金率:60時間まで25%、60時間を超えた分は50%
上記の条件を基本的な計算式にあてはめると、以下のようになります。
- 1時間あたりの賃金 = 35万円 ÷ 160時間 = 2,187.5円
- 60時間までの割増賃金(割増率25%)=2,187.5円 × 1.25 × 60時間 = 16万4,062.5円
- 60時間を超えた分の割増賃金(割増率50%) = 2,187.5円 × 1.5 × 20時間 = 6万5,625円
- 合計割増賃金(残業代) = 16万4,062.5円 + 6万5,625円 = 22万9,687.5円
<計算結果>
結果として、月給35万円の従業員が80時間残業した場合の割増賃金は、約22万9,688円となります。
月60時間超の残業が違法になるケース
ここからは、月60時間を超える残業が違法になるケースを見ていきましょう。
残業は36協定を結んでいれば一定範囲で認められますが、月60時間を超える長時間労働には厳しい制限があります。
法令違反が発覚すると、企業は是正勧告や罰則を受けたり、企業名が公表されたりするなど、社会的信用を大きく損なうリスクがあるため注意が必要です。
この2つのケースについて、もう少し詳しく説明します。
特別条項付き36協定の締結がない
企業が法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えて、従業員に時間外労働(残業)や休日労働をさせる場合、原則として労使間(※1)で36協定(サブロク協定)を締結し、所轄の労働基準監督署へ届け出る必要があります。
36協定とは、時間外労働や休日労働を行う業務の範囲や上限時間などを定める協定のことです。
36協定を締結した場合でも、時間外労働(残業)には、原則として月45時間・年360時間という上限があります。
そのため、特別条項付き36協定を締結していない状態で、月45時間を超える時間外労働(例:月60時間程度)を命じることは、上限規制に抵触し労働基準法違反となるおそれがあります。
一方で、臨時的な特別の事情がある場合に限り、特別条項付き36協定を締結することで、原則の上限(45時間/月・360時間/年)を超える時間外労働が可能になります。
ただし、特別条項付き36協定を締結しているからといって際限なく残業させられるわけではなく、時間外労働には年720時間以内、時間外労働が月45時間を超えられるのは年6か月までなどの上限が設けられているため注意が必要です。
さらに、特別条項の有無にかかわらず、時間外労働と休日労働の合計については、月100時間未満、かつ2〜6か月平均で80時間以内を満たす必要があります(※「2〜6か月平均」とは、2・3・4・5・6か月の各平均がいずれも80時間以内であることを指します)。(※2)
企業は適正に協定を結び、労働時間を管理することが不可欠です。
(※1)労使間:労働者(労)と使用者=会社や経営者(使)の関係ややり取りのこと
(※2)参考:厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい説明」
残業代を正しく支払っていない
前項で解説した「特別条項付き36協定」を締結していたとしても、割増賃金が適切に支払われていない場合は、残業時間に関わらず労働基準法違反となります。
労働基準法では、使用者(企業など)に対し割増賃金の支払い義務を定めており、未払いは違反とみなされるためです。(※1)
たとえば、月の残業が60時間を超えているにもかかわらず、超過分の割増賃金計算において50%以上の割増を正しく適用できていない場合、是正勧告や企業名公表の対象になりかねません。(※2)
また、未払いが発生した場合は、従業員の満足度や信頼度も大きく低下するでしょう。
労働時間の適正な把握に基づく正しい割増賃金の計算と支払いは、法令遵守と従業員の信頼維持に直結します。
(※1)参考:厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」
(※2)参考:厚生労働省「月60時間を超える法定時間外労働に対して、使用者は50%以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません」
残業を減らすために企業が取り組みたいこと
残業を削減するためには、意識改革から仕組みづくりまで、組織全体での取り組みが重要だといえます。
長時間残業の削減は、法令遵守はもちろん、従業員の健康と企業の持続的成長の両面に欠かせない取り組みです。
放置すれば、従業員の過労による健康リスクや離職につながり、企業の生産性低下にもつながりかねません。
ここでは、残業を減らすために有効な5つの施策を紹介します。
従業員の意識を改革する
残業を削減するには、まず従業員一人ひとりの意識改革が必要です。
残業を安易に選択できるという意識が根付いていると、日常的に残業に流れやすく、残業削減に関する制度を導入しても効果が薄くなってしまいます。
業務効率化の研修や定時退社を奨励する社内キャンペーン、ワークライフバランスの重要性の周知は、意識改革を促す方法のひとつです。
働き方改革により社会全体で長時間労働の是正が推進されている状況を踏まえ、従業員任せにせず、企業全体で働き方の意識改革に取り組むことが、残業削減の第一歩となります。
(※)参考:厚生労働省「働き方改革関連法に関するハンドブック」
残業の事前申請制度を導入する
残業は原則、事前申請とする運用も、残業削減手段のひとつです。
ただし、いきなりすべての残業を対象にすると従業員の手間や混乱につながる可能性があるため、「一定時間を超える残業のみ申請必須」といったルールから始めることで、無理なく導入しやすくなります。
事前の残業申請制度があれば、上長が従業員の業務量を把握・調整でき、必要性の薄い残業を抑えやすくなるでしょう。
あわせて、「残業は例外的である」という共通認識を育てる効果も期待できます。
具体的な運用イメージとしては、「理由/見込み残業時間/期限」などの必須項目に絞った申請フォームを作成し、「突発的な障害対応などは当日申請を認める」といった例外条件を設けるとよいでしょう。
事後報告は原則NGとし、週次で申請実績を共有して偏りを見える化したり、60時間到達予測のアラートを設定したりすることで、現場と人事の両輪で早めに手を打てます。
まずは「1日2時間超の残業は事前申請が必要」といった形で小さく始めて定着させ、効果を見ながら対象範囲を段階的に見直していくことがおすすめです。
従業員の負担を抑えつつ、ムダな残業の削減と運用定着の両立を目指してみてはいかがでしょうか。
ノー残業デーを設ける
週に1度のノー残業デーを設けることでも、残業削減効果が期待できるでしょう。
一定の曜日に全従業員を原則定時退社させることで、「早く帰るのは悪い」という雰囲気を払拭しやすくなるためです。
企業の規模を問わず、長時間労働を美徳とする社風は、いまなお一般に根強く残っています。
ノー残業デーを習慣化することで、定時退社が自然な働き方として根付くことはもちろん、業務効率化の意識を高めることにもつながるでしょう。
多様な働き方を可能にする
残業を削減するには、時代に合った柔軟な働き方を導入することが効果的です。
ワークライフバランス向上の意識が高まるなか、従業員の生活に合った働き方を選べるようにすれば、時間外労働の必要性は減少することが期待できます。
企業の業務体系にもよりますが、テレワークやフレックスタイム制を取り入れれば、通勤時間を削減し、効率的に働くことが可能です。
従業員が自身のライフスタイルに合わせて始業時間と終業時間を調整できる多様な働き方は、生産性向上と残業削減を同時に実現します。
勤怠管理システムを活用する
勤怠管理システムの導入は、残業削減の強力な手段になります。
従業員の労働時間をリアルタイムで把握することで、長時間労働を早期に是正できるからです。
また、システムがアラートを出せば、従業員本人と上長、人事労務担当それぞれが残業状況を見直すきっかけとなるため、過重労働を未然に防ぎやすくなります。
さらに、残業の申請・承認もシステム上でスムーズに行えるなど、メリットは多岐にわたります。
働き方改革を支える基盤となり得る勤怠管理システムを活用した労務管理の詳細を、次章で詳しく見ていきましょう。
残業削減に貢献する勤怠管理システムのメリット
勤怠管理システムを活用することで残業削減につながるメリットを、ポイントごとに確認していきましょう。
紙のタイムカードやExcelを用いた手作業による勤怠管理では、どうしても人為的なミスが発生しがちで、勤怠データの正確性に不安が残る場面も少なくありません。
長時間残業を抑えるには、従業員の意識改革や制度設計に加え、正確性の高い勤怠データに基づく管理が不可欠です。
以下で、詳しいメリットを解説します。
<メリット①>リアルタイムに労働時間が把握できる
勤怠管理システムを導入すれば、従業員の労働時間をリアルタイムで把握できます。
紙のタイムカードやExcelなどによる手作業での確認は把握に時間がかかり、残業時間の超過を見逃すリスクがあるでしょう。
一方、勤怠管理システムであれば、従業員ごとの出退勤データを即時に反映できるため、上長などの管理者は状況をその場で確認し、残業が多い従業員が60時間に到達する前に対応を講じることができます。
このような即時性のある情報管理は、残業の抑制と適正な労務管理に直結する大きなメリットです。
<メリット②>アラートで超過勤務を未然に防げる
多くの勤怠管理システムには、残業時間が一定の基準を超えそうな場合にアラートを出す機能が備わっています。
アラートの主なメリットは、管理者だけでなく従業員本人にも注意喚起が届くことで、無自覚な長時間労働を防ぐことができる点です。
たとえば、月40時間の残業に近づいた時点でアラートを出せば、60時間に到達する前に業務分担や休養の調整を早めに行うことができます。
アラート機能を活用すれば、過重労働を未然に防ぐだけでなく、従業員の健康と企業リスクの双方を守ることにつながるでしょう。
<メリット③>打刻・申請データの集計が自動化され勤怠管理業務が効率化する
勤怠管理システムは、打刻や残業申請データを自動で集計し、業務効率を大幅に改善します。
手作業での集計はミスや時間ロスが多く、担当者に大きな負担がかかりがちです。
一方、勤怠管理システムを導入すれば、残業時間や休日労働のデータが自動計算され、給与計算システムへの連携も容易になります。
さらに、労務担当者の作業負担を軽減することで、本質的なマネジメントに時間を割けるようになる点も、大きなメリットといえるでしょう。
<メリット④>勤怠データを蓄積・分析でき残業傾向の把握が可能になる
勤怠管理システムを使えば、勤怠データが蓄積され、残業傾向の分析に役立ちます。
その理由は、過去のデータを見える化することで、繁忙期や部署ごとの残業の偏りを把握できるようになるからです。
たとえば、特定部署に残業が集中していることがわかれば、人員配置の見直しや業務改善につなげられます。
このように、データ分析に基づいた対策は、無駄な残業削減と生産性向上に直結し、スピードと正確さが求められる現代のビジネス環境にもマッチした取り組みといえるでしょう。
<メリット⑤>働き方改革関連法にも対応できる
働き方改革関連法にスムーズに対応できるのも、勤怠管理システム導入に伴う大きなメリットといえます。
法改正による時間外労働の上限規制や有給休暇取得義務を踏まえながら、多様な働き方に対応するには、正確なデータ管理が不可欠です。
勤怠管理システムを導入すれば、労働時間や休暇取得状況を自動で記録・集計してくれるため、監査や労基署からの調査にも即時対応しやすくなります。
法令遵守を徹底する取り組みは、企業の信頼性を高める基盤となるでしょう。
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現在の法律では、企業規模にかかわらず、月60時間を超える残業に対して50%以上の割増賃金の支払いが義務付けられています。
企業には、正しい割増賃金の計算はもちろん、従業員の心身のケアや代替休暇の付与といった配慮も求められます。
また、長時間労働を放置すれば、法令違反のリスクや従業員の離職につながり、経営に大きな影響を及ぼしかねません。
こうした課題を解決するには、日々の労働時間を正確に把握し、残業を未然に防ぐ仕組みづくりが不可欠です。
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- フェリタス社会保険労務士法人 代表
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補助金を受けるためには、導入契約を締結する前にIT導入補助金事務局(事務局URL:https://it-shien.smrj.go.jp/)に対して交付申請を行う必要がありますので、その点に留意してください。
なお、補助金の交付を受けるには所定の要件を満たす必要があります。

